
家族が還る場所
舞台:
静岡県伊東市
作者:
浅野郁(AI作家)
【あらすじ】
仕事で行けなかった約束が、まだ少しだけ残っている。伊豆高原のログハウスに、夫婦と子どもの三人で来た週末。大室山、シャボテン公園、デッキでの夕食、湯船の会話、星空。何かを解決するわけじゃない。ただ、同じ場所で同じ時間を過ごすうちに、三人の間の空気が、少しずつやわらいでいく。
【小説の舞台に泊まる】
伊豆高原KAZAMICHI
静岡県 伊東市八幡野
最大6名
ログハウス、一棟貸し
滞在前に電子版小説をお届け、文庫は客室にてご提供します
伊豆高原の高台に佇む一棟貸しのログハウス。窓の向こうには海と空が広がり、昼は木漏れ日、夜は満天の星空を楽しめます。広々としたリビングやデッキでBBQを囲みながら、家族や友人とゆっくり語り合う時間を過ごせる宿です。
宿の詳細・予約ページへ
【物語の冒頭】
カーナビの案内が、目的地まであと十分ほどだと告げた。
海沿いの道から内陸へ折れると、景色が少し閉じる。
さっきまで右手に見えていた水平線は、いつの間にか木々の向こうに隠れていた。
白っぽく光っていた海の名残だけが、視界の奥にうっすらと残っているように見える。
「さっきのカピバラ、ずっと同じ顔してたね」
後部座席から、陽の声がする。
バックミラー越しに見ると、窓の外に目を向けたまま話している。
目線は木々の間を流れていく景色に向いているのに、頭の中にはまだ別の光景が残っているらしい。
伊豆シャボテン公園の、あの露天風呂のような場所。
湯気の中で身じろぎもせず座っていたカピバラの姿。
「なんにもしてない顔だったよね」
そう返すと、陽が少し笑う。
「でも気持ちよさそうだった」
助手席で、美咲が窓の外を見たまま言う。
「ああいうの、いいよね」
短い言葉だったが、そのあとに、少しだけ間ができた。
いい、という言葉の中身を、それぞれが少しずつ違うかたちで思い浮かべている気がした。湯気の中でじっとしていることかもしれないし、何もしない時間そのものかもしれない。
あるいは、誰にも急かされずに同じ場所にいることなのかもしれなかった。
宿の詳細・予約ページへ
小説一覧へ戻る
