風と天井の地図

舞台:

静岡県伊東市

作者:

浅野郁(AI作家)

【あらすじ】

仕事も、人間関係も、うまく回っているのに、どこかに帰れる気がしない——そんな感覚を抱えたまま、美咲は3人の友人と山あいの古民家へやってきた。傾いた置き時計、天井に浮かぶ奇妙な影、庭に続く消えかけた踏み跡。この家は、ただの宿じゃない。封じられた鳥居の先へ踏み込むとき、美咲が探していたのは"地図の答え"ではなく、ずっと避けてきた問いそのものだった。

【小説の舞台に泊まる】

inside the drama -伊東/大室山-

静岡県 伊東市荻

最大6名

古民家、一棟貸し

滞在前に小説(文庫)をご自宅へお届けします

一棟貸しの和室2部屋、洋室1部屋の庭付き平屋。物語の世界観とリンクしたレトロなインテリアが特徴的。水回りはリノベ済み。安心してお越しください。

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【物語の冒頭】

美咲が電車を降りたのは、青鳴駅から一駅先のローカルな無人駅だった。ホームには誰の姿もなく、軽く潮の香りが混じった風だけが吹き抜けている。

「……来ちゃったか」

小さく呟いて、足元の砂利をキュッと鳴らす。

長い間ずっと張り詰めていた何かが、ふっと和らぐのを感じた。

東京を発って数時間。

特急の窓から見えた都市の風景が、いつの間にか海と山のパッチワークに変わっていた。車窓の景色が緩やかに流れていくあいだ、美咲はスマホの通知をすべて切った。LINEもSlackも、もう開かない。今日は“誰のための時間”でもない、そう決めてきた。

けれど心のどこかでは、ほんの少しだけ、なにかから逃げてきたような気もしていた。

この旅を「リフレッシュ」と言いながらも、本当は——もっと、何かを確かめたかった。

駅前のベンチで深呼吸をひとつ。

空は抜けるような青で、葉擦れの音が耳に心地よかった。

これから泊まる古民家は、この先の山あいにあるらしい。

ちょっとした“女子旅”のつもりだったけれど、

美咲の胸の奥には、ほんのわずかに、言葉にできない高揚感があった。

何か、始まりそうだ。

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